|
穂高人形・御船祭 |
|
バックナンバー3号 (第
11号)平成18年2月10日 |
| 文化祭に研修成果を展示 |
|
去る十一月三日から五日に穂高会館(旧穂高町民会館)で開かれた安曇野市穂高文化祭に保存会の牛流教室と保尊教室の後継者たちが穂高人形飾り物制作研修の成果を披露した。毎年文化祭を目標に行っている研修は今年で四度目となる。 前日の準備では午前九時より体育館二階通路に保尊教室が制作にかかった。教室の六人が手際よく舞台を作り「浦島太郎の亀を助ける」場面を仕上げた。亀を作った後継者の一人である県昭男さんは「普段は何の気なしに動物を見ているけれど、いざ作るとなると保尊さんのように特徴をつかんで見ていないので甲らのところは苦労して作った」と言っていた。また襖の裏側を利用して描かれた海岸の背景に「これが終わっても後ろの絵をしまっちゃうのはもったいないね」と満足げに話していた。 又午後二時からは牛流教室が体育館の観客席に「山内一豊関が原へ出陣」の場面を、指導者の牛流弘次さんを含む三人で作った。 堀金から文化祭を見に来た人達は「小さい馬によく合わせて作ってある。菊人形もあるけど、こんなに金襴は使っていない」と感心していた。
|
| 兜鎧に魅せられ |
|
恒例の研修旅行が七月十五日(土)に参加者二十四名にて北信中野市方面へ出向き佐藤博物館や一本木公園そして地獄谷野猿公苑を見学する行程で行われた。 当日穂高を出発した時には天候は良かったが中野インターチェンジを出る頃より少し雨が降り出した。今回見学の一番目的である佐藤博物館に到着した。ここの収蔵品は医師であった故佐藤忠彦が収集した甲胄、武具を展示する専門博物館である。館内では職員に案内を頂きながら、鎧は武将の物は立派であり、足軽それは軽くできている等、それぞれの違いを説明して頂いた。川中島で戦った上杉家伝来の武具や飯山藩本田家の由来の鎧など数多くありケースに入りきらない物もあり、特別展示されていた。鎧は時代とともに戦いの道具から江戸時代になると装飾的な物へと変化を見て分かった。 参加した教室の人達は今後の制作に当たっての参考とするべく盛んにシャッターを切っていた。 次の中野市生まれである中山晋平の記念館へと廻り、カチューシャの唄や対象から昭和にかけての流行歌を作った中山晋平の唄を参加者も口ずさんでいた。 午後には温泉に入る猿で知られる地獄谷野猿公苑へ行った。かんばやしスノーパーク駐車場から二十分歩かねばならなかったが、当日降った雨のために非常に歩きづらくそれ以上の時間をかけて公苑に進んだ。公苑内には大きな猿から小さな猿、親子連れなど各所におり、温泉につかる者、のんびり日向ぼっこする者、遊具で戯れる者などを見ることが出来ほのぼのとした気分にさせられた。 次に、一本木公園にて園内のバラを見学した。時期的には終わりに近い物があったがそれでも美しい花が各所に咲きほこっていた。園内の中野市歴史民族資料館も見学して中野市の古墳時代からの歴史を知ることも出来た。 研修旅行は少し雨が降ったが、バスを降り見学中は雨に当たることも無く、無事一日の行程を終了することが出来た。鎧、兜を見ることによって人形後継者の参考となり、またそれを見る人の勉強にもなり、今後人形師や関係者の作った物の素晴らしさへの理解をする事が出来るようになるのではないかと思った。 今後も保存会は研修旅行を計画しますので、会員の皆様のご協力をお願いします。
|
| 若年層の人形制作講座に大人等も熱心 |
|
人形制作飾り物の伝統技術を若いうちから慣れさせ、やがて子供たちが成人したとき、受け継いでいってもらう基盤作りを目標に保存会が、人形師(人形制作者)と育成会の協力をえて講座を開いている。今年で四年目を迎えたこの講座は、昨年に引き続き子供たちへ材料を与え自分たちで人形の部品を製作してもらう内容で行われた。 去る十月二十一日穂高町区公民館で小平教室の後継者である藤原国広氏によって穂高町区の小学生を対象に講座が開かれた。当日は親子含めて二十二人が参加し頭の作り方を教わった。 小平教室の頭の制作は、木製の頭に紙を貼り付け型を作り、はぎ取って張り子状にしたものに穴を開けピンポン玉などを用いて目玉を付け、顔の表情に合わせて肉付けをし、再び紙を貼り膠(にかわ)や胡粉(ごふん)等を塗り、麻などを用いて手をつけていく方法で、今回は教室の後継者たちが予め研修館で作っておいた張り子の頭を子供たちに与え、肉付けまでが行われた。 低学年の子供たちは「むずかしい」と言い、同伴した親も頭作りに熱中しているなかで、高学年の子供たちは「お母さんたちに負けないように作らなきゃ」と張り切って木挽き糠と糊を混ぜ練り合わせてできる粘土で思い思いの肉付けをし様々な顔を作った。 今回の若年層向け人形制作講座は従来のように区の育成会行事の集まりに時間を割いてもらい合わせて行ったものでなく、講座のみの開催に育成会の協力を得て集まってもらったため約三時間という長い時間がとれたことから、区長や関係者からは「じっくりと時間をかけた講座となった。大きな成果があったのではないか」と喜んでいる。
|
| 小学校でも飾り物が好評 |
|
昨年七月から穂高南小学校の耐震工事のため撤去されていた人形飾りが再び展示されるようになった。 これは穂高人形・御船祭保存会で「小学校との交流をはかる」という昨年度からの事業であり、本年一月十八日より校長室の前には小平教室の藤原国広さん他二名の後継者によって「羊と少年」という題名で子供と羊の人形が飾られ、背景に鐘のある教会風の建物の絵が飾られた。 八月十七日からは牛流教室の牛流弘次さん始め二名の後継者らによって「さるかに合戦」の題名で飾り替えられた。 同校長の小笠原教明氏は「いつも小型に作っていただいてありがとうございます。今こうやって子供たちが見ておくと穂高人形の文化がしみつくと思う。お祭のお船の人形飾り物は終わってしまうが、立体的に目の前で見られていいです。そのうち人形を作りたいという子供が出てくればいいですね。」と期待をし「子供たちはさるかに合戦の場面の話は分かると思うが、ストーリーやあらすじはあまり知っていないと思うので今度校長講話でやってみたいですね」と話していた。 子供たちは「すごい。うすと猿は分かるけど蜂とかには首のところだけだから変だなあ」とつぶやきながら「兜の支度が立派だね」と戦っている様子のまねのポーズをとったりして楽しんでいた。
|