穂高人形・御船祭

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(第 12号)平成19年12月10日
発行 穂高人形・御船祭保存会

風林火山の歴史を訪ねて

 旧跡や名勝などを訪れる恒例の研修旅行が7月21日(土)に参加者19名で行われた。今年はNHKの大河ドラマ風林火山の舞台となっている山梨方面へ訪ねることとなった。早朝穂高を出発した一行はまず標高の高い北杜市にある風林火山館についた。霧深い当日入り口に山本勘助の鎧甲を身につけた係員が記念写真に加わっていてくれていた。一向は本陣風に築かれた館を見て「見えるところは本物のように見せても舞台裏はトタンだ こうゆうふうに作らなきゃいけないだねぇ」とか「唐破風や千鳥破風など簡単な板張りだが遠くから見ると本物そっくりに見える」「柱も張り合わせだがやっぱりはなれてみると本物だ」と感心。やはり大河ドラマの撮影セットを資料としている。「終わったら壊しちゃうのももったいないね」と言い資料館ではプラスチックでできた甲冑に見入っていた。どこからか誰かの武田節を口ずさむ声が聞こえてきていた。
 また甲府駅前で開かれている風林火山博へ入った一行は、山本勘助に関する古文書や武田信玄の構えた城や青木ヶ原の樹海に築かれた「石塁」をみて「こりゃ勉強になる」「よく作ったもんだね」との歓声が上がった。
 竜王河原の信玄堤の「聖牛」をみて「この頃から『うし』があっただいね」と見入っていた。
 この後一行は武田神社を参拝。宝物館にて国文化財の太刀や上杉軍旗、武田家相伝の甲冑、風林火山孫子の旗(実物)を見学した。食事は名物の「ほうとう」、帰り際には石和温泉に立ち寄りワインに舌鼓を打ち岐路に就いた。
 この度の旅行では大河ドラマ風林火山に湧く山梨県内にて研修としたが、歴史や武具甲冑などの見学に加えて舞台制作についてもよい勉強になったように思える。参加者の一人は「これからの飾り物に生かしていきたい」と意欲を語っていた。

子供達の伝統文化意識付けに
今年は小平教室と保尊教室が飾り物を展示

 一昨年より行われている小学生へ穂高人形の伝統文化意識付けをはかる目的で始まった穂高南小学校への飾り物展示は、去る4月6日小平教室を代表する藤原国広さんと内川賢一さんによって「二宮金次郎」の姿を人形にして行われた。本を読みながら薪を運ぶ場面を見た子供たちは「苦労して勉強したんだ」と感心していた。
 続いて8月3日からは保尊教室の保尊和夫さん、矢口義盛さん、山田孝さん、県昭男さん、等々力実さん、青柳弘茂さん、保尊崇志さん、茅野教雄さんで小林一茶の生涯と題して蛙の相撲に「負けるな一茶ここにあり」と詠む場面が飾られた。
 同校長の小笠原教明氏は「いつも子供たちのためになる人形を飾ってもらってありがたく思います。穂高の人形飾り物と共に昔から伝えられてきた心の優しさや日本の文化が人形という立体的な場面によって伝えることができることは有意義なことだと感謝しています」と話していた。

文化祭に研修成果を展示(今年は展示場が移り)

毎年人形教室が日頃の研修成果を披露する場所の一つである安曇野市穂高文化祭が11月2日から4日まで穂高会館で開かれた。
飾り付けは3教室それぞれが前日より行い特に小平教室と牛流教室では今年は体育館1階の総合美術展スペースに飾ることができた。また保尊教室では2階通路でも入口からよく見えるようにと普段の場所でも斜めに飾り付けを行った。
3教室が飾り物を行った場面名は次のとおり。

 小平教室 「武田信玄と山本勘助出陣」の場
 牛流教室 「戸隠紅葉狩り(鬼女伝説)」の場
 保尊教室 小林一茶の生涯「負けるな一茶ここにあり」場

毎年見に来ている参観者らは、「去年までは体育館の観客席に飾られていたが今年は目に付くところでいいね」と飾り物に近づき「みんな表情豊かにできているね。馬も生きているようだ。」と驚きながら説明書きに見入っていた。

手の制作に親も挑戦

 毎年区の小学生を対象とした人形制作の講座が、去る10月4日午後1時から3時まで穂高町区公民館において小平教室の人形師後継者を目指す藤原国広さんをはじめ内川賢一さん、青柳富久さん、日岐善久さん、嶋田豊実さん、降幡成敏さんらによって行われた。参加者は親子あわせて14人と少人数だったが講師らも一緒になって手の制作に当たっていた。
 藁と針金を細めに束ね新聞紙で巻き指の材料を5本作る工程では、「全部同じ太さに作ると小指と親指の違いがわからなくなるので難しい」とつぶやきながら取り組む子どもに付き添うお母さんたちも一緒に制作をした。
 この日の制作には指の材料を手のように針金で縛り木挽き糠と糊で作った粘土で肉付けをして終了とし、次回乾いてから仕上げをすることになった。
 指導した藤原さんは「みんな上手だ。器用によく作った。教えている俺たちも勉強になる。」と話していた。

迫力ある御船祭り
9月27日、穂高神社の御船祭りが斉行された。毎年5艘の御船(穂高町区子供船、等々力町区子供船、両町区大人船、穂高区大人船)がそれぞれ神前神楽殿の回りを3周する「お布令」神事が行われ、中でも2艘の大人船が激しくぶつかり合いをする場面が祭のクライマックスとも言われている。
 近年、激しいぶつかり合いに耐えるため、両町区の御船にはぶつかり合う「腹」の部分に材料の「なる(楢の木)」を多く使い強く作られており、昨年穂高区の御船は耐えられず折れてしまった。今年穂高区では「腹」の内側に支柱を付け強い御船を作ったところ、二艘の御船は例年になく強くぶつかり合い、度重なる衝撃にも激しい音と共に見る人々はその迫力に圧倒されていた。
 御船は一真会・七星会・健壮団と睦友社らが制作しているが、御船作りには材料の「なる」の調達に苦慮しているのが関係者の悩みであり、今後何らかの対策が望まれる。
御遷宮に向けて前年より飾り物披露
平成21年5月に斉行される穂高神社の式年大遷宮祭に向けて、穂高人形を多くの人達に知ってもらうために平成20年正月参拝者で賑わう元旦から1月15日まで、神社境内3カ所に飾り付け展示されることが、去る7月6日穂高神社と保存会・人形師と後継者らによって決定された。
 穂高神社の御遷宮に欠かせない人形飾り物に、人形師から後継者たちが心と技を受け継ぐ「後継者育成事業」を行ってきた中で、今年は保存会発足後9年が過ぎ、今回の御遷宮飾り物は人形師と後継者の合作によって制作されるものと考え大事な年であるとして主催者である穂高神社からは期待が大きい。
 尚、飾り物場面名と担当する制作教室は次のとおり

 「武田信玄と山本勘助の出陣」の場  小平教室
 「新田義貞の鎌倉責め」の場  牛流教室
 「浦島太郎竜宮城で歓待を受ける」の場  保尊教室

古着募集
 保存会では人形制作や御船の飾り付けに使用するため各ご家庭でいらなくなった着物や晴れ着を募集しております。大人用子供用を問いません、不要な着物類をお持ちの方は先までお持ちよりください。
 穂高神社社務所内 穂高人形・御船祭保存会事務局
御遷宮「大飾り物場面決まる」
 平成20年5月に斉行される穂高神社式年大遷宮祭の奉祝穂高人形大飾り物の場面内容が、去る9月14日穂高神社参集殿において、穂高神社・穂高人形御船祭保存会・人形師・後継者らによって決定された。今年7月より一般から募集していた「私が見たい飾り物場面」を中心に人形師と神社の希望を織り交ぜ、歴史もの・戦(いくさ)もの・お伽話ものなど次の7場面が選定され、手がける人形師が決まった。
 
人形師名 場面名
小平貞男 源平合戦「那須与一扇の的」
風林火山「川中島合戦」
豊臣秀吉「醍醐の花見」
牛流弘次 大江山「酒呑童子」
「大阪夏の陣」
保尊和夫 竹取物語絵巻「かぐや姫」
上杉米沢藩繁栄の礎を築く直江兼続活躍「天地人」(平成21年ドラマ放映)

中でも「かぐや姫」場面は物語絵巻として数場面飾られる。また、「天地人」場面で担当する保尊和夫さんは「あまり知られていない歴史だが、今から勉強して人形制作に取り掛かりたい。」と意欲を語っていた。

穂高人形大飾り物開催の日程

期間 平成21年5月1日(土)〜17日(日) 午前10時〜午後8時
場所 穂高神社南神苑・北神苑・境内

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