(第3号)平成13年1月25日
発行 穂高人形・御船祭保存会

会員の熱願が実り、後継者育成の拠点
穂高人形研修館が完成

穂高人形御船祭保存会の本年度の最重要課題の「穂高人形研修館」が穂高神社境内御船会館南に隣接して落成し、12月20日、来賓・保存会役員40人が参加し盛大な完成式が行われた。
 完成式は、午前11時神社拝殿で奉告祭を執行、穂高祢宜の祝詞奏上、清澤保存会長、各関係者代表の玉串奉奠がなされた。続いて研修会館の前で保存会長、神社宮司、町長代理平林総務課長、JR長野支社、工事関係者代表の6人によるテープカットがなされ、館内を視察、設計者より施設の機能について説明を聞いた。
 続いて参集殿に移動、式典、祝賀会が行われた。 式典の冒頭に清澤保存会長は挨拶で、「保存会発足以来懸案であった研修館が早期に完成できたのは、JR東日本文化財団・穂高町当局・穂高神社の伝統文化継承に深く温かいご理解により尊い資金を頂き、設計・施工に当たった4社の優れた技術と誠心誠意を尽くし工事に当たって頂いた賜物であり、感謝したい。
 今後は研修館を拠点に後継者育成に本格的に取り組み、皆様の期待に応えたい」
 とお礼と決意が述べられた。
 次いで設計・監理の中村建築研究所・施工の伊藤組・松沢組・武井組の代表者に保存会長から感謝状・記念品が贈呈され、受賞者を代表して伊藤組小林繁充社長が謝辞を述べられた。
 祝辞は町長代理平林建彦総務課長が、「穂高人形飾り物は町文化の本となっている。平成5年信州博覧会の時、町で最も誇る穂高人形を展示し、大人船二隻を出動して頂くことを企画し、これを機会に後継者育成のステップになればと願っていた。今回の研修館の設立は、その目標をクリアしたものである。」
町議会平田進彬議長は、
「宗教・宗派を超えた文化財の保護育成の立場から、この度の研修館落成は意義深いことであり、今後の後継者育成に一層尽力して欲しい。」
安曇野塾笠原貞行代表は、
「一昨年安曇野塾で、"安曇野文化大賞"として3人の人形師を表彰した。このことが穂高人形飾り物顕彰の大切な契機になったと思う。今度の穂高人形研修館の設立は、伝統文化を一層強く引き継ぐためのすばらしい力となることを期待する。」と述べられた。
 祝辞の後、JR長野支社販売促進課篠原俊明副課長先唱の乾杯で、喜びに満ちた和やかな祝賀会が行われた。
 穂高人形研修館建設の経過は、保存会設立当初から話題となり、人形制作指導者の強い願いと、時あたかも平成14年は7年目の御遷宮祭に当り、13年6月から飾物の制作に取り組む必要があり、この機会を活かし後継者の育成を図ることが目的とされ、本年度の総会で研修館の建設が議決された。
 設計・監理は長野市の神社・仏閣の設計に精通した中村建築研究所に、施工は地元の伊藤組・松沢組・武井組の共同企業体に依頼した。
 7月31日、保存会役員と設計者、施工者、人形師3人で設計を検討し、総工費4500万円(備品等含む)と決定建設認可を得た8月末から着工し、12月20日に契約通り完成することができた。
 研修館は鉄骨造り二階建て、述べ約195u、階下は駐車場、階段を上がった二階の入り口にテラス、玄関を入るとホール(休憩所・展示に利用)ホールの南に湯沸室、ホールの北側に階段があり、御船会館に通じている。東西に長い廊下の天井にスポットライト、ピクチャーレールが取り付けられ展示ができる。廊下の北側に物入れを配置、南側の作業室は3室あり冷暖房完備、ペアガラスが使用され、廊下と作業室の間は広いガラスで仕切られ廊下側から作業が見学できる。各作業室の入り口に三人の人形師の表札が掛けられている。玄関の上部に「穂高人形研修館」の木彫りの大額が掲げられている。題字は西川久壽男顧問の力強い達筆により、木彫はクラフト「もくげん」の松田富行氏にお願いしたものである。

研修館の規模

ホール   36u
湯沸室    6u
廊 下   29u
物 入   14u
作業室  110u
       (3室分)

計    約195u

好評だった穂高人形飾物展
飾り付けに汗だくの大奮闘
 JR東日本文化財団が当保存会の事業支援認証記念と穂高神社国幣小社列各60周年を記念して、保存会主催、穂高神社共催・各種団体の後援・協賛を頂き、「穂高人形飾り物展」が次のように開催されました。
主題 期間 場所
「日光泉小太郎」 7/21〜9/3 松本駅
「川中島の合戦」 8/12〜8/20 長野駅
「ものぐさ太郎」 11/11〜11/19 神社境内

松本駅は保尊和夫人形師が担当し、睦友社の6人で飾り付けが行われた。
 飾り付けは「MIDORI」のゲートの上で飾る場所は左右に傾斜する天井との狭い部分で、天井に届く高所で足場も悪く熱気がこもる悪条件の中、客が少なくなる夜8時から汗だくの作業が三晩続き、大変な作業であった。
 初日の開会式には、有賀正松本市長初め来賓・関係者32人が参列、代表者による垂れ幕の序幕、保存会長の挨拶、来賓の祝辞を頂き盛会であった。
 長野駅は小平貞男人形師が担当し、資材の運搬は8月11日夜八時から一真会の5人と穂高神社職員が手伝い、駅東口から西口コンコースの展示場まで、階段を上がり相当の距離に汗を流した。展示場は大人船全体の大きさ位あり、徹夜で飾り付けた。
 12日の開会式は若林正俊国会議員、初め多くの来賓、関係者44人が参列、穂高神社雅楽会の荘重な演奏で垂れ幕の除幕が行われ、清澤保存会長のお礼の挨拶と来賓の祝辞を頂き盛会であった。
 穂高神社境内は牛流弘次人形師と健壮団及び七星会の数人が休日返上で、ものぐさ太郎の二場面飾りに多くの時間を要した。
 穂高町が誇る伝統文化が、長期間展示され両駅から感謝され、帰省客・観光客の多い時、足を止めカメラを向ける人も多く好評であった。作業に携わった方々のチームワークもよく、日頃身につけた技を発揮された頼もしい姿から、こうした場を通して確実に後継者が育っていくことの力強さを感じた事業であった。

 

動きある力作ぞろいの御船祭り写真コンテスト
去る11月4日参集殿会議室で、第2回「お船のある風景写真」コンテストの表彰式が行われた。
 清澤保存会長から入賞者へのお祝いの挨拶があり、入賞者に賞状と賞品が授与され、審査員の信州映像舎中沢義直代表から、「前回より全体のレベルが向上し決定的瞬間を捕らえたもの、勢揃いのお船の前で力強い奉納相撲と観客を入れたアングルなど動きのある作品が多かった。次回は静の場面を美しく捕らえた作品を期待したい」と講評された。
 今回は奥宮の優雅な御船神事も加え、応募作品75点に及び入賞作品は御船会館に展示されており、入賞者は次の通り。
選考 氏名 作品名
御船大賞 宮沢浄 秋空の下をゆく
優秀賞 下田忠寿 神事のクライマックス
穂高人形賞 小池春隆 結びの一番
あづみの賞 中野博司 子供の成長を願って
入選 柳澤政久
岩渕俊勝
北原雅光
実りの秋を行く子供船
明神池お船まつり
祭り最高潮に
佳作 岩牧基見子
竹内正行
柳澤政久
山本集奘
西沢龍司
勇壮
ボク達の夢を乗せて
穂高人形
お祈り
奉納相撲
副賞 浅川今朝雄
中野博司
岩牧基見子
下田忠寿
西沢龍司
子供笛
祭りの夜
水に映して
頑張る裏方さん
お船が行く